中国知識産権局傘下の知識産権発展研究センターは先ごろ、2013年全国知識産権発展状況報告を発表した。同報告によると、2013年中国の知的財産権の総合発展指数は安定成長し、創造、運用、保護と環境の4つの発展指数がともに安定した成長を維持し、多くの面において進歩が著しかった。広東省、北京、浙江省、上海、江蘇省などの知的財産権の総合発展指数が全国のトップに位置し、全国をリードしていた。2007年から2013年までの当該指数が年平均増加率の上位5位までの省は、1位から順に江蘇(7.17%)、安徽(6.99%)、湖北(6.85%)、陝西(6.71%)と遼寧(6.18%)で、当該指数の上昇幅が上位の省は1位から順に江蘇、浙江、安徽、湖北と福建である。
同報告によると、中国知的財産権の総合発展指数は安定した成長を続けると同時に、知的財産権の全体的な発展状況には、以下のような特徴が見られた。
①創造、運用、保護と環境の発展指数がバランス良く発展し、地域による特徴も浮かび上がり、創造、運用、保護と環境の当該指数への貢献度には若干の格差が見られた。上位にランキングされた地域においても、広東省と浙江省における知的財産権に対する保護ニーズが比較的に強く、北京と上海における知的財産権の環境がより整備されていた。また、江蘇、山東、湖北、福建、河南、河北、江西及び内モンゴルなどの地域では、知的財産権知識産権の保護指数が創造指数を上回っていた。
②知的財産権の創造は、数量、効率タイプが中心である。昨年、中国における知的財産権事業では、特許出願の受理件数が82万5000件(世界1位)、特許協力条約(PCT)を通じて提出した国際特許出願の受理件数が2万2924件(世界3位)、商標出願の受理件数が188万1500件(連続12年世界1位)及び著作権の登録件数は100万9700件(初めて100万の大台を突破)など新たな業績をあげた。しかしながら、現在中国における知的財産権の創造は依然として数量、効率タイプを中心としているため、各地域での知的財産権の創造の品質指数は創造の数量、効率指数を遥かに下回っている。例えば、知的財産権の創造発展指数が最も高い北京でも、創造の数量指数は89.72、創造の効率指数は98.86、そして創造の品質指数はわずか75.36であった。
③知的財産権に対する保護を強化し、広東、浙江、江蘇及び福建などの地域では、行政保護に力を入れていることが際立っていた。知的財産権の保護発展指数は昨年、前年比で1.79アップの65.83であった。昨年、全国の行政執行機関は、知的財産権侵害事件及び偽物劣悪商品の製造販売に関する事件を26万2000件立件し、うち司法機関に4550件移送するとともに、犯罪拠点を5441箇所壊滅した。また、全国の公安機関は、知的財産権侵害及び模倣品に係る事件を5万5000万件検挙し、容疑者5万9000人を逮捕した。全国の検察機関は、知的財産権侵害及び模倣品犯罪に係る事件9161件の容疑者1万4000人の逮捕を許可するとともに、1万4000件を起訴し、2万3000人を取調べた。さらに、全国の裁判所は、知的財産権侵害及び模倣品犯罪に係る刑事事件を1万2000件審理し、1万7000人に判決を下した。
④知的財産権を取り巻く環境の最適化が進展し、2012年の知的財産権の環境発展指数は61.74であったが、昨年にはすでに前年比5.97ポイントアップの67.71まで上昇した。この要因には、知識産権制度の環境の最適化が絶えず進み、サービス機関センター及びその人員が年々徐々に増加し、知的財産権意識が向上していることが挙げられる。
知識産権発展研究センターは、昨年初めて発展状況報告を発表し、今年は2回目の発表であった。
日時:2014年9月3日
情報ソース:中国国家知識産権局
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