無効審判で発明特許「圧縮耐久性に優れた網状構造体」の有効性を維持
ポイント:原材料及び/又は製造方法が同じ又は類似でない場合、証拠に記載されていない構成要件は実質的な相違点になる。
概要:特許権者の生産する新世代のクッション材料であるBREATHAIRとは、繊維を曲がりくねらせて三次元ランダムループ接合構造からなる網状構造体であって、優れた性能と広範囲での用途がある。2009年5月に、3会社より、当該特許権者の網状構造体に係る2件の特許(以下、対象特許という)が新規性と進歩性を有しておらず、実施可能要件違反及び必須要件欠如を理由として無効審判を請求された。弊所は、請求人の証拠における関連製品の原材料規格及び製造方法のいずれも対象製品と異なるため、対象製品の性能パラメータと同じであるとは推定できないと反論し、特許法にも、特許権者に各工程のパラメータが製品の性能に具体的にどのように影響するのかを開示するようと要求していないと主張していた。相違点が公知常識であるという無効理由に対しては、請求人は立証していないと反論した。つきましては、国家知識産権局は、2019年8月に、口頭審理を行った後、2020年3月に当方の主張を認めて、2件特許の全部有効と維持する審決を下した。