近日、当所が代理したある発明特許に係る無効審判審決取消訴訟は一審で、明細書の開示不十分を理由として対象特許の全部無効に成功...
化学分野において、「予想外の効果」を有すると唱える特許の無効化は通常、困難である。本件は、参考になれる無効化戦略を示してい...
弊所が代理した「好待百」「夢多加喱」商標異議申立案件は 国家知識産権局「2020年度商標異議申立、審判典型事例」に選出


4月26日、21回目の世界知的所有権の日にあたって、国家知識産権局の「一般公開日」イベントにおいて、商標局の崔守東局長が10件の「2020年度商標異議申立、審判典型事例」を発表した。そのうち、弊所が代理した「好待百」「夢多加喱」商標異議申立案件は、悪意的に外国知名商標を分解して出願する行為を取締る商標案件の典型的事例として選出された。
 
一 案件の基本状況の紹介

異議申立人であるハウス食品グループ本社株式会社(以下、「ハウス食品」を言う)は主にカレー、調味料、スナック菓子、健康食品などの製造販売を行っている有名な日本企業である。特にカレー製品において、高い市場シェアを有している。ハウス食品は、中国市場に進出して以来、その製品が数多くの賞を受賞している。また、20年近くの広告宣伝と着実な経営を通じて、同社が所有する「好侍」「百夢多」「味嘟嘟」などの商標は、中国の食品業界及び消費者に周知されているブランドとなっている。近年、ブランドの影響力の拡大に伴い、同社の商標を悪意的に模倣する事件が多発しており、それと同時に、悪質な模倣品も多く市場に出回っている。これらの「タダノリ」の不法行為は、ハウス食品の合法的な先行権利とビジネス上の信用を損害している。同社の権利保護に大きな負担をかけるとともに、商標登録管理秩序と市場秩序を混乱させ、消費者の権利を侵害している。

弊所は、同社の依頼を受け、これまで30件近くの悪意的な模倣商標に対して、異議申立又は無効宣告を提起した。今回「2020年度商標異議申立、審判典型事例」に選出された「好待百」「夢多加喱」商標異議申立案件は、その中の典型的事例である。本件の論争の焦点は、被異議申立商標の「好待百」「夢多加喱」が、異議申立人の「好侍」「百夢多」と併存して使用される際、商品の出所について消費者に混同・誤認を生じさせるか否か、類似商品における類似商標に該当するか否かということにある。

本件において、被異議申立人である「南京姚盛商貿有限公司」は、異議申立人の2件の商標及び商標が使われる商品の名称を分解して再組合せするとともに、「侍」と「咖」を字形が近い「待」と「加」に替えることで、類似審査を回避する目的を達成しようとしている。
商標審査は個別審査の原則を採用しているため、先行権利者の商標を悪意的に分解して再組合せする行為につけこまれる隙を与えているが、弊所の努力によって、商標局は双方の商標が類似商品における類似商標の使用に該当すると認定し、「好待百」、「夢多加喱」商標の登録を拒絶する決定を下した。
 
二 本件の法律的意義

本件は、外国知名商標を変更・分解して出願する典型的な事件である。商標の異議申立事件における商標の類否判断は、「商標審査及び審理基準」に沿うものであるが、具体的な案件において、引用商標の知名度や、被異議申立商標の出願が正当な使用目的に基づくか否かなどの要素を総合的に考慮しなければならない。

異議申立人は被異議申立商標の出願日の前にすでに「好侍」「百夢多」の商標専用権を取得しており、それを組合せる形で「カレー」製品に用いられている。異議申立人の長期的且つ広い範囲での宣伝・使用によって、「好侍百夢多咖喱」という組合せの標識は、関連公衆に高い知名度を有するようになった。それに、被異議申立人の商標出願状況を調べたところ、本件の被異議申立人が、上述の商標以外に、「好待百夢卶加喱」「好待白夢卶加喱」の商標も出願したことがわかった。被異議申立人が、異議申立人の商標と類似する商標を数件出願することは、明らかに異議申立人の知名度に便乗する悪意がある。このように、被異議申立商標が「調味料」の関連商品に登録され、さらに市場経営活動に使用される場合、消費者に商品の出所について誤認・混同を生じさせる可能性が高い。

商標行政管理機関が悪意的な商標出願の取締りを強化しているとともに、本件の被異議申立商標のような容易に発見されない商標の冒認出願が多発している。国家知識産権局商標局の案件に対するコメントのように、同一の先行知名商標を巡り、それを変形、分割して模倣するような商標の出願行為に対して、商標間の内部関連性を無視する個別審査をすべきでなく、出願人の同一の主観的悪意の下で出願したシリーズ商標を全体として考慮して、上述の複数の異議申立案件を合併して審理すべきである。このように、双方商標の類似程度、先行商標の知名度、出願人の主観的意図などの要素を考慮することができ、「タダノリ」行為を阻止し、公正な審理を実現できる。

弊所商標部の弛まぬ努力の下で、商標局は弊所クライアントの先行商標の知名度を肯定し、被異議申立商標の悪意性を認め、最終的に被異議申立商標の登録を成功的に阻止し、クライアントの商標専用権を保護できた。弊所は今後とも、「誠実信義、品質保証」という経営理念を堅持し、全力を尽くして国内外のクライアントに質の高い知的財産権代理サービスを提供していく所存である。

ホットリンク:北京魏啓学法律事務所
©2008-2025 By Linda Liu & Partners, All Rights Reserved.
ホットリンク:北京魏啓学法律事務所
©2008-2025 By Linda Liu & Partners, All Rights Reserved.
×

ウィチャットの「スキャン」を開き、ページを開いたら画面右上の共有ボタンをクリックします