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行政訴訟における訴訟取下げについて


北京林達劉知識産権代理事務所
 

前回のIP NEWSにおいて、「特許法」の無効審決に対する訴訟種類についての改正動向を検討いたしたところ、多くの読者から有益な意見を多数いただき、私も大変勉強になりました。本当にありがとうございました。最新の改正動向があれば、さらに読者の皆様と共有したいと思います。

ところで、現在の「特許法」の規定では、無効審判の審決に対する訴訟種類は依然として行政訴訟であるという点を考慮して、本論稿では、行政訴訟における原告と第三者との和解問題に係る最新の司法解釈について、さらに読者の皆様と共に検討したいと思います。

行政訴訟の性格上、訴訟において、原告と特許審判委員会とが和解する可能性はありません。原告と第三者とが法廷外で和解に達した場合には、一般的に原告は行政訴訟において訴訟取下げを請求します。このように訴訟を取下げても、原告にとっては単に行政訴訟を終止することができるだけであり、原告に不利な無効審判の審決を変更または取消すという目的を達成することはできません。例えば、もし無効審判の審決には、特許権が無効または一部無効された場合、原告と第三者が和解に達しても特許権は依然として無効される。このような結果が原告と第三者とって望ましい最適な結果ではないことはよくあることです。

したがって、行政訴訟中の和解制度については、ここ数年来、いつも法律界で問題視され、検討されてきた課題であり、とくに原告と第三者との和解結果が係争中の行政審決に影響を及ぼすかどうかが注目されていました。この点について、「最高裁判所」は、2008年1月14日に公布し、2008年2月13日より正式に施行された「最高裁判所による行政訴訟の訴訟取下げに関する若干問題の規定」という司法解釈において、明確に規定しています。関連条項は以下のとおりです。

「第二条 訴えられた具体的な行政行為の被告による変更、原告による訴訟取下げの請求が、以下の各号に掲げる条件に合致する場合、裁判所はそれを認めるべきである。

(一) 訴訟取下げの申請は当事者の真実の意思表示であること;

(二) 訴えられた具体的な行政行為の被告による変更は法律、法規の禁止的な規定に違反せず、職権を超えまたは放棄せず、公共利益及び他人の合法的な権利と利益を損なわないこと;

(三) 被告は訴えられた具体的な行政行為を変更または変更しようとし、それを書面により裁判所に通知すること;

(四) 第三者の異議がないこと。

第四条 各号の一つに該当する場合には、「被告は訴えられた具体的な行政行為を変更した」と見なされる

(一) 原告の請求により法律に定められた職責を法に照らして履行する場合;

(二) 対応する救済、補償等措置を講ずる場合;

(三) 行政裁決手続において、書面による原告と第三者との和解を認める場合。

下線を引く部分からわかるように、原告と第三者とが和解に達すれば、これを理由として特許審判委員会に原無効審判の審決の変更を請求して、原告に不利な無効審判の審決が効力を得るようなることを回避することができます。

以下は仮定の実例を通じて無効審決に対して提出した行政訴訟の中に以上述べている規定を利用して和解と訴訟取下げという目的に達する具体的なステップを説明する。その中、原告は特許権者、被告は特許審判委員会、第三者は無効審判請求人、無効審判の審決は特許権が全部無効です。

ステップ1:特許権者は無効審判の審決に不服があり、裁判所に当該無効審判の審決を取消す行政訴訟を提出し、裁判所は当該訴訟を受理した;

ステップ2:特許権者と無効審判請求人が和解に達する;

ステップ3:特許審判委員会が書面ににて特許権者と無効審判請求人との和解を認める;

ステップ4:特許審判委員会が無効審判の審決を取消すとともに、書面により裁判所に通知する;

ステップ5:特許権者は訴訟の取下げを申請する;

ステップ6:裁判所は特許権者の訴訟取下げを許可する。

上述の実例において、特許権者は無効審判請求人と和解に達することを通じて、特許審判委員会が下した特許権が全部無効であるという無効審判の審決を取り下げさせた。それによって、当該特許権が継続的に有効であることを維持した。

以上述べたように、上述の規定において、原告(行政相手側)と第三者との間の民事紛争に係る行政訴訟では、原告と第三者は和解合意に達する方法で、行政手続における行政主管官庁による行政決定を変更することができます。こうすれば、原告と第三者の要請を満たすことができるだけではなく、訴訟資源を節約し、訴訟効率を高め、さらに行政主管官庁、原告及び第三者のいずれにとっても有益なものと言えるのではないでしょうか。無効審判の審決に対する行政訴訟においても、原告と第三者は上記規定を利用して、双方に有利な方法を選択して紛争を迅速かつ有効に解決することができるのではないかと思います。

 
(2008年)

ホットリンク:北京魏啓学法律事務所
©2008-2025 By Linda Liu & Partners, All Rights Reserved.
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