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「単一性回復手数料支払い通知書」について


北京林達劉知識産権代理事務所
 
国際段階において国際事務局に単一性違反と指摘されたPCT出願について、中国国内段階に入った後、審査官は実体審査中、単一性違反があるかどうかについて審査を行います。審査官が単一性違反があると判断する場合には、「単一性回復手数料支払い通知書」を発行します。当該通知書は拒絶理由通知書(OA)のように頻繁に起こるものではないので、ご理解のために、当該通知書を発行する法的根拠、条件、応答期間や応答方法、及び当該通知書を避ける対策について以下に紹介させていただきます。
 
1.法的根拠
 
●特許法実施細則第112条第2項――単一性違反の国際出願に対する処理

国際段階において、国際調査部門又は国際予備審査部門は国際出願が特許協力条約に規定する単一性の要件を満たしていないと判断し、かつ出願人が関係規定に基づき追加料金を支払っていないため、国際出願の一部は国際調査又は国際予備審査が行われていない場合、中国国内段階に入るとき、出願人が前記部分を審査対象とするよう請求し、国務院特許行政部門が国際調査部門又は国際予備審査部門による単一性に関する判断が正しいと認定すれば、指定する期間内に単一性回復手数料を支払うように出願人に通知します。期間が満了しても支払わないか、又は支払った手数料が不足である場合、国際出願における調査又は国際予備審査が行われていない部分は取り下げられたものと見なされます。

●審査基準第3部分第2章5.5――国内段階に入った国際出願に対する実体審査に属する単一性審査(詳細は略する)
 
2.「単一性回復手数料支払い通知書」を発行する条件

上記規定に基づいて、当該出願が以下のような条件を満たしている場合、審査官は「単一性回復手数料支払い通知書」を発行します。

a.当該出願が中国国内段階に入った国際出願である。

b.国際段階において、当該出願が単一性違反と判断されて追加調査手数料又は追加審査手数料を支払うようと命じられたが、出願人が当該段階で支払っていないので、単一性違反の発明は国際調査又は国際予備審査が行われていない。

c.中国国内段階に入った後、当該出願には依然として単一性違反の発明があると中国の審査官に認定さ  れている。
 
3.応答期間や応答方法

(1)通常「単一性回復手数料支払い通知書」を受領した日から2ヶ月を応答期間とします。「単一性回復手数料支払い通知書」を受領した日は推定の受領日であり、「単一性回復手数料支払い通知書」の発行日から15日目です。

(2)応答方法

出願人は状況に応じて応答方法を選択することができます。具体的には、以下の三つの応答方法があります。
 
応答方法一:審査官の単一性違反の指摘が誤っていると出願人が判断する場合には、上記応答期間内に単一性回復手数料(官庁手数料:RMB900元)を支払い、単一性の要件を満たしている理由を説明すべきです。その後、審査官は当該出願の審査を継続します。
 
応答方法二:当該出願には単一性違反の発明があると出願人が判断したが、単一性違反の発明についても特許を受けることを希望する場合には、上記応答期間内に単一性回復手数料(官庁手数料:RMB900元)を支払うべきです。その後、審査官は当該出願をさらに審査した上、拒絶理由通知書を発行し、分割出願すべきと指摘します。もちろん、出願人は拒絶理由通知書を受領する前に、自発的に分割出願することができます。
 
応答方法三:当該出願には単一性違反の発明があると出願人が判断し、単一性違反の発明を放棄する場合には、当該通知書に応答しなくてもよいです。すなわち、上記応答期間内にこの手数料を支払う必要はありません。また、出願人は単一性違反の発明を自発的に削除することができます。しかし、この場合には以下のことに注意する必要があります。
 
●出願人が応答期間内に手数料を支払っておらず、かつ単一性違反の発明を削除しない場合、審査官は、国際段階において調査されていない部分が取り下げられたものと見なされることを出願人に通知し、上記部分を削除した補正後の出願書類を提出するよう命じます。

●単一性回復手数料の未納により削除された発明について、出願人は分割出願することができません。
 
4.当該通知書を避ける対策

当該出願が「単一性回復手数料支払い通知書」を発行する条件を満たしている場合、当該通知書を避けることができますか?この点について、当該通知書の発行に関する法的規定を分析した上、審査官の意見を考慮して、以下のとおり説明させていただきます。
 
国際段階において、当該出願が単一性違反と判断され、かつ出願人がこの判断に同意する場合には、中国国内段階に移行した後、実体審査の前に単一性違反の発明について自発的に分割出願することが考えられます。このようにすれば、審査官は当該出願について実体審査を行う場合、分割出願後の当該出願が上記通知書の発行条件を満たしていないので、当該通知書を発行しない可能性は高いです。
 
以上は「単一性回復手数料支払い通知書」に関する紹介です。ご参考になれば幸いです。
 
(2008)

ホットリンク:北京魏啓学法律事務所
©2008-2025 By Linda Liu & Partners, All Rights Reserved.
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