グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)に関する注意事項
北京林達劉知識産権代理事務所
I. グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の定義について
グラフィカルユーザーインターフェース(以下、GUIと言う)とは、製品のディスプレイ装置に図形やアイコンで表示されるインターフェースのことで、主にコンピューター、携帯、機器、器械、計器、工業設備及び電子楽器などに用いられている。
「審査基準」に規定されているGUIとは、製品のディスプレイに図形によって表示される
ヒューマンコンピュータインタラクションと製品機能の実現に関するインターフェースのことであり、つまり、
ヒューマンコンピュータインタラクションと製品機能の実現という2つの条件を同時に満たさなければならない。
ヒューマンコンピュータインタラクションとは、人とコンピュータがクリック、タッチ、スライド及びディスプレーなどの操作によって、情報と指令の伝達などを完成する過程のことを言う。製品機能の実現とは、製品が製品自身の機能及びアプリケーションによって実現できる機能を含め、有利な機能を発揮することである。但し、ウェブページのリンクは含まないものとする。
II. 中国で保護されるGUIについて
ヒューマンコンピュータインタラクションと製品機能の実現に関係があるGUIを含む
製品全体の意匠。
保護対象に該当する主な製品の種類:
(1)設備専用のGUIを有する製品
(2)汎用のオペレーティング・システムのインターフェースを有する製品
(3)アプリケーション・ソフトのインターフェースを有する製品
(4)ウェブアプリケーションのインターフェースを有する製品
(5)アイコンのインターフェースを有する製品
保護対象に該当しない製品:
(1)ウェブページ・ウェブサイトの図面、文字の組版を有する製品
(2)電子画面壁紙(スクリーンセーバーの動画)を有する製品
(3)電源オンオフの動画を有する製品
(4)ゲームインターフェースを有する製品
III. 出願提出時の注意事項
(1)名称
例えば、GUIを有するコピー機、対話型インターフェースを有する携帯など、「…インターフェース(連体修飾語)+製品」の形式を使用すべきである。
(2)製品の図面
「審査指南」第一部分第三章第4.2節に「GUIを含む製品の意匠については、製品全体の意匠図面を提出しなければならない」という規定が追加された。
図面を提出する際に、次の点を注意しなければならない。
①製品図面の作成方法はGUIの作成方法と一致しなければならない。線図で表示する製品形状とレンダリングまたは写真で表示する図形インターフェースとの混合図面を提出してはならない。
②GUI以外の製品もはっきり表示しなければならない。
③GUIの図面の比率が小さい場合、拡大図を提出すべきである。
④GUIと製品が分離しているデザインの場合、製品全体の図面とGUI図面を同時に提出しなければならない。
⑤動的なGUIをもつ製品の意匠出願の場合、出願人は、少なくとも1図、GUIを含む製品全体の意匠図面を提出しなければならない。ほかの変化状態について、重要な図面だけを提出すればよいが、それによって動的図案の動画の変化傾向を特定できなければならない。動的図面は拡大図でも良いが、同一の比率で拡大しなければならない。
⑥使用時に「内容画面」をもつGUIは、GUI以外の「撮影内容」「放映内容」「プッシュ内容」等の図面を含んではいけない。
⑦使用時に、「内容画面」をもつGUIの場合、「内容画面」の図面は、「使用状態参考図」として提出することができる。ただし、削除する際、「内容画面」を削除して良いだけで、GUIの要素を削除してはならない。「内容画面」を削除することは、単なるレイアウトのデザインを保護することとは違う。
(3)意匠の簡単な説明
GUIを有する製品の意匠出願の場合、簡単な説明において、GUIの用途、製品におけるGUIの位置、インタラクションの方法及び変化状態などを明記したほうがよい。
説明しない場合、以下のような問題が生じる可能性がある。
(1)GUIの種類を確定できない。
(2)GUIの位置を確定できない。
(3)動的GUIの変化状況を確定できない等。
IV. 単一性について
(1)組物について
同一の分類に属し、セットとして販売・使用される製品、かつ創作構想が同一である。
各意匠は、製品全体の図面を提出しなければならない。
(2)類似意匠に対する類似判断の原則:全体的に観察し、総合的に判断すること。
製品またはGUIを単独で判断しない。
V. 優先権について
先願が以下のような形式の場合、優先権は成立しない。
(2014)